活動報告

昨年度事業報告

2023年度事業報告

概 要

2023年度の国内経済は、新型コロナウイルスの影響により生じた様々な制限が解除され、人々の動きや事業活動も以前の活発さを取り戻し、明るい兆しが見えてきました。しかしながら、国際的な地政学リスクによって世界規模でサプライチェーンが影響を受け、原油や原材料の価格上昇や為替の大きな変動などの減速要因も依然として顕在化のままです。
印刷業界においても、原材料費やエネルギー価格の高止まりが続き、また情報メディアのデジタルシフトによる紙媒体の需要減少も加わり、経営環境は一層厳しいものとなりました。その一方で、私たちの働き方や生活様式も大きく変化し、DXやAIの進展、紙媒体とデジタルメディアの融合など、新しいビジネスや価値が生み出されてきました。
このような中、印刷工業会の各部会においては、喫緊の課題である「価格転嫁」「取引慣行改善」を主軸に活動を行い、それぞれに策定した「年度計画」に則り精力的に活動を行いました。出版印刷部会では、首都圏大規模災害を想定した「緊急協議訓練」を継続して開催、年末には「物流2024年問題」の解決に向けた要請文書を出版業界団体に提出致しました。教科書印刷部会では、6年ぶりに「教科書製作マニュアル」を改定して教科書制作会社への配布を行いました。また商業印刷部会では、取引改善のための要請文書を適宜作成して、各クライアントに向けての交渉の足掛かりと致しました。顧客企業が重なる紙器印刷部会と軟包装部会では、原材料価格の高騰を受けての価格転嫁交渉や取引慣行改善のための活動を協働で進めました。環境問題の討議を重ねる液体カートン部会では、関連業界団体と共同で「エコプロ2023」に出展するなど、社会全体での普及に向けた取り組みを継続して行いました。スタッフ部会である教育・研究部会と女性活躍推進部会では、会員各社の共通課題である「人材定着」「印刷業界のDX」「多様性の尊重」「SDGsと社会課題解決」等のテーマで講演会・セミナーを開催し、多数の方々に聴講をしていただきました。その他の部会でも、事業拡大や事業変容の糸口となる勉強会を随時開催して、会員各社の事業活動に貢献する活動を行いました。
日本印刷産業連合会へは18名の理事と1名の監事に加えて、常設委員会にも多数の委員を派遣して連携強化を図り、更に、経済産業省及び関係官庁に対しても協働を図りました。
印刷業界にとって引き続き大変厳しい状況となった2023年度でありましたが、印刷工業会は、会員各社の事業活動に貢献する連帯活動や情報の提供、印刷業界共通の課題解決に向けて積極的に取り組みを行いました。
改めまして、役員の皆様をはじめ、会員企業の皆様の印刷工業会の運営に対するご理解とご支援に、心より御礼を申し上げます。  

 

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