活動報告

今年度の部会活動方針

2025年度部会活動方針

出版印刷部会

2024年度に引き続き、2025年度の部会活動も出版業界全体の活性化と、出版文化の維持を基本理念として実施して参ります。本年度も「物流」「本・印刷の魅力の発信(らぶっく)」などの分科会活動を主軸に据え、会員相互の結束を図り、個社だけでは解決できない共通課題の改善に対する取組みにおいて連携強化を図って参ります。
加えて、“出版物の文化的価値の維持継続”をさせるために、“持続可能な出版事業”再整備を行う活動として各業界団体(加盟各社)との連携で具体的な課題の議論と、課題解決に向け検討していくための「協議の場」を展開する等、今年度も部会メンバーとともに実効性のある取組みを進めていく所存です。

教科書印刷部会

2025年度は前年度の活動方針を継続し、部会活動を通じて業務に関連する情報の共有化と会員相互の資質向上に役立つ活動を展開していきます。
・デジタル教科書の採用・活用状況及び、デジタル教材の展開など印刷業界との関連は継続的に検討し、「GIGAスクール構想」の進捗、教科書・学参業界のICT対応の動向等の情報共有を図っていきます。
・2027年の学習指導要領改訂(2030年度使用 小学教科書)を見据え、情報収集を継続して実施していきます。現状、デジタル教科書は教材扱いであり紙の教科書内容がそのままデジタル化となっていますが、デジタル教科書が検定対象となった場合、一部が紙・一部がデジタルのハイブリットな形、またはフルデジタルも考えられ、教科書製造が大きく変わることが予想されます。
・部会員の知識・知見の向上とビジネスの拡大の一助となるべく、「見学会」「勉強会」を継続していきます。「見学会」については、直接的な業務との関わりに留まらず、新技術やトレンドを踏まえての企業の工場・ショールーム等、「勉強会」では関連するセミナーへの参画も検討していきます。
・出版印刷部会との交流や親睦会等により部会各社との関係性を深め、共通課題の取り組みに向けての 連携の可能性を探り、教科書印刷業界を中心とした出版印刷業界への発展に貢献して参ります。

 

商業印刷部会

商業印刷部会では、部会員による公募により、2025年度のスローガンは『見て、触れて、伝えるモノがある 商業印刷』に決まりました。各グループ会での役割分担は、2年継続の基準に従い、「新年交歓会」はR&D会、「商印ゴルフ会」はCR会の担当となります。
部会活動は、原材料の値上がりや物流2024年問題、人手不足問題等、先行きが不透明な中、ビジネスモデルの変革や新商材・サービスの開発、将来に向けた人材育成等に関し、会員各社における共通テーマを見出し、議論を深めたいと考えます。また引き続きSDGsでの課題対応、DX化の進展、高度化する生成AIなどの技術革新がビジネスに及ぼす影響にも目を配り、知識の習得にも積極的に努めて参ります。そのためには勉強会や見学会、他社事例の紹介などを通じて、2つのグループ会が連携し情報を共有できる場の提供が必要です。スローガンにある『見て、触れて、伝えるモノがある』とする情報コミュニケーション産業としての一翼を担う商業印刷の役割・課題を見据え、環境やマーケットの変化にいち早く対応していくためにも、他業界も含めた幅広い情報や知識を習得する機会の創出に努めていく所存です。

紙器印刷部会

・紙器印刷部会は、コンプライアンスを意識し、公正で秩序ある営業活動を通じて、適正な取引慣行の確立と維持を目指した活動を継続的に推進します。
1.原材料・印刷資材の価格変動や市況動向、得意先業界の景気状況(四半期ごと)を把握し、共有して討議します。
2.取引慣行改善活動では、引き続き取引条件改善に取組むとともに、新たな課題に対処し、解決に向けて継続的に活動します。
3.環境関連や関連法規の動向注視し、情報収集と共有活動を実践します。
また生活者や顧客の安全・安心に寄与するため、業界として積極的に活動します。
4.勉強会や見学会をはじめ、経験に基づいた知識の向上を目指すとともに、懇親会などを通じて部会員間のコミュニケーションを活性化させ、未来を担う若手社員の「育成の場」の企画と提供に努めます。

軟包装部会

・軟包装部会はコンプライアンスに則った部会活動を通じて、会員各社共通の課題解決に向けた取り組みを行います。
1.市況および原材料価格の変動状況を把握し、情報共有を行います。
2.取引慣行の改善活動を推進し、安定した持続的な製品供給に向けた取り組みを継続します。
3.循環型社会の構築に向けたライフスタイルや社会の変化に注視し、容器リサイクル法の責務を果たすとともに、関連法規の動向に関する情報収集と対応を行います。
4.勉強会や見学会を企画・開催し、知見を広めるとともに、セミナーを通じて優秀な人材を「育成する場」の提供に取り組みます。

液体カートン部会

1.運営委員会
・原紙価格、人件費、副資材価格等生産諸コスト、物流費の上昇に加えて、さらなる円安進行・定着による輸入資材の大幅なコスト悪化等により 業界にとって厳しい状況が続きますが、会員間でしっかりコミュニケーションを取り、業界の共通課題解決に取り組んでいきます。
技術委員会・環境委員会の取組みに対し、運営委員会としても積極的に参加する機会を作る等支援や情報共有を進め、部会活動を活性化します。
2. 環境委員会
・アルミ付飲料用紙容器に関し、NPO法人「集めて使うリサイクル協会」や「LL紙パックリサイクル推進研究会」活動の推進を通して、酒造・飲料関係業界や関連諸団体との関係強化を継続し、リサイクルネットワークのさらなる充実を図り、「エコプロ2025」に共同出展を行い、飲料用紙容器の環境・リサイクルに係わる啓発・広報活動を進めます。
・アルミ付飲料用紙容器の組成分析調査は、ダイナックス都市環境研究所に依頼して酒類用紙パック(アルミ付・アルミなし)に関しても併せて継続調査を実施し、回収率算定等を行い「2025年度アルミ付飲料用紙容器のリサイクルフロー調査報告書(2024年実態)」を発行します。
・継続して関連諸団体と審議会情報等を共有し、各種リサイクル方法の情報をタイムリーに収集しアルミ付紙パックのリサイクルの在り方やリサイクル率の向上について推進していきます。
3. 技術委員会
・前年度に引き続き、短期的に完結できるテーマを取り上げで、会員各社の情報を持ち寄り協議することで共有を図ります。今年度は「消費者クレーム(カートン要因以外)の情報共有」をテーマとして取り上げて。クレームが発生した際の対応方法を会員7社で共有することで、対処の効率化につなげていきたいと考えます。また、委員の見聞を広めるために、今年度も異業種の工場見学や、環境委員会が開催する組成分析への参加を部会全体で取り組みます。

建材部会

・建材部会では生活者の安全・安心な住環境の提供に向け、環境に配慮した製品への取組みを継続するとともに、関連法規の動向情報や見学会を通して環境問題と向き合い、課題の解決に取組んできました。
・先述の通り、目前の建材市況は厳しく、この状況は当面続く見通しですが、部会として以下施策に取組み、活気ある活動を図っていきたく思います。
1.4VOC自主表示制度システム及び化粧板用印刷紙の合法性証明制度の健全かつ継続的運用を図ります。
2.見学会、勉強会を通して見聞を広げ、会員との知見の共有、向上、を図ります。
3.関連法規の動向把握、会員同士の忌憚なき意見交換を行い、情報共有と発信に取組みます。
4.建設・住宅産業業界の動向や取組みなどを捉え、課題をテーマ化し、解決に向けた討議や情報収集を進めることで部会活動の活性化を図ります。

情報セキュリティ部会

2025 年度の情報セキュリティ部会の活動としては、基本的には前年度の活動方針を踏襲して参ります。2025年度もDX化の進展、特にAI、XR等の情報通信技術(ICT)・デジタルを利用したテクノロジーは、我々の生活の質の向上や新事業の創出、交通・物流における移動と供給の効率化等をもたらすなど、今後、さらに社会・経済活動を変革していくことが予想されます。一方で、こうした技術の進化に伴い、プライバシー侵害やサイバーテロによる個人情報等のデータの流出、偽・誤情報の拡散等といったとリスクが生じており、企業においてはコンプライアンスの遵守や情報セキュリティに関するリスクマネジメント、SDGsへの対応と、それらに関する人材育成等の課題が山積しております。
こうした状況下において、本年度の部会活動は、年間、見学会を2回、勉強会を2回実施することを目標に掲げ、情報セキュリティ関連を含めた新技術・新知識を習得する機会を設け、こうした社会課題の解決に向けた会員各社のビジネス拡大への寄与に主眼を置いた活動を推進するとともに、前年度から取り組んでいる証券印刷物関連の原材料サプライチェーンの変化等に対応すべく、情報連携を密接にして活動を進めていく所存です。

資材部会

2025年度は、賃上げと物価高の狭間で個人消費の緩やかな回復基調は続くと見られ、さらには堅調なインバウンド消費や、大阪・関西万博や参議院選挙など、プラス要素が多いものの、構造的要因による印刷需要減少を押し上げる効果はごく僅かと見られます。さらには、アメリカの政権交代を発端に国際情勢はさらに複雑化しており、景気の先行きは不透明な状況です。

一方、大手製紙メーカー各社で相次いで発生した火災や設備トラブルはその要因の一つが設備老朽化と見られており、また2月に発表された「丸住製紙の洋紙事業撤退」のような経営判断も、需要減の中ではまだ起こり得ると見られます。さらには近年の地政学的な緊張の高まりも含め、供給リスクに対するBCPを強化していくことも課題となっています。

また、ESG経営の視点では、スコープ3への対応の他、物流2法、下請法の改正への対応等、サプライチェーンにまつわる課題につきましても、資材部会の中で情報共有を図ってまいります。

2025年度も資材部会はコンプライアンスを前提に月1回の定例部会を開催します。事業継続の要として「原材料の適正価格での安定的な調達」を第一に、会員各社が資材の市場動向を的確に把握するための情報共有を行います。また、各種の勉強会・見学会なども企画し、最新の知識や情報の習得、会員相互の親睦を更に深め、原材料調達に関わる様々な課題に対応してまいります。

教育・研究部会

1.会員企業の持続的発展に向けて、「事業基盤の強化」、「人材育成支援」、「SDGsや環境問題への対応」等に資する活動を推進してゆきます。
具体的には、年2回程度、特別講演会・ビジネストレンドセミナーを階層別に企画・運営いたします。テーマの選定におきましては、他の部会との連携と情報共有を心がけ、テーマや開催日時の調整、合同セミナーの開催なども含め、年間を通じて有効性の高い多様な教育機会を提供してゆきます。

2.運営にあたり、リアル会場とオンラインの併用によって相乗効果を高めるなど、より多くの会員が参加しやすい講演会・セミナーとしてゆきます。また、セミナー開催の費用低減など、コストパフォーマンスの向上にも努めてまいります。

技術部会

・技術部会では、委員の方からの意見に基づき柔軟かつタイムリーな対応を心掛け、2025年度の活動方針として、引き続き「技術情報の収集と発信」に取り組んでいくことを決め、以下の施策を行います。

1.印刷技術情報誌PIDの企画・発行を通して、会員各社に有益な技術情報を提供します。
2.高度な印刷関連技術、環境対応への取組み、新素材・材料といった技術情報の収集と発信のための視察・見学会・勉強会を計画・実施します。
3.部会員の交流を深めるために、自社の活動紹介を行うことも検討していきます。

ダイバーシティ推進部会

ダイバーシティ推進を通じて「印刷を働きがいのある、そして魅力ある業界を実現とすること」を基 本方針として活動を行ってゆきます。

 

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