4VOC

自主表示規程

化粧シートからの4VOC(トルエン・キシレン・エチルベンゼン・スチレン)放散に関する自主表示制度規程

2020年4月1日改定
印刷工業会

(目的)

第1条 本規程は印刷工業会が化粧シートから放散するトルエン・キシレン・エチルベンゼン・スチレン(以下4VOCという)の気中放散速度に関し、その適合基準値を定めること及び表示に必要な事項を定めることにより、消費者に対し安全性かつ居住性に優れた内装建材などの供給を図ることを目的として定める。

(自主表示制度)

第2条 本「自主表示制度」は、4VOC放散基準に適合する化粧シートを申請・審査の手続きを経て印刷工業会に登録し、申請者が適正な表示をすることによって、「4VOC基準適合製品」であることを宣言するものである。
2 印刷工業会と申請者は、本自主表示制度精神を尊重し、協力して室内環境改善に向けた製品の供給に更なる努力を払い、顧客の信頼に応えるものとする。

(定義)

第3条 本規程にいう「化粧シート」とは、居室の内装に用いるものをいい、印刷原反の種類により、以下の4つに分類される。
 
分類 定義
パルプを主原料とした紙、及びそれらを樹脂処理したコート紙、含浸紙をベースとする化粧シート
複合シート 複合されたシートの内、少なくとも一層が上記「紙」で構成されたシートをベースとする化粧シート
フィルム プラスチックを主原料としたフィルム及びその積層物をベースとする化粧シート
その他 上記の「紙」「複合品」「フィルム」の何れにも属さないものをベースとする化粧シート
 

(適用製品)

第4条 適用製品は、前条に記す化粧シートの種類ならびに使用されるインキの4VOCの有無により、新基準(第7条)に則ったタイプ4・5を新設し、タイプ1から5に分類される。
 
表1 タイプ別適用製品
条件/分類 タイプ1 タイプ2・4  タイプ3・5
化粧シート 全てのシート 紙及び複合シート フィルム及びその他
使用する原材料の
VOCの有無
なし あり あり
※なし・・・使用する原材料のSDS上にVOCの表記がないこと
※使用する原材料・・・インキ、トップコート、接着剤、プロテクトシートなど
※タイプ2・3については、旧基準値での登録(証明)となり、2020年4月以降は登録できない。

 

(申請資格)
第5条申請者化粧シートを製造・販売している者とする。
適合表示を申請する資格は「別表1」に明記されている印刷工業会・建材部会の部会員がこれを保有する。但し、会員外の企業が資格申請を印刷工業会に申し出たときは建材部会・幹部会で企業規模、設備内容、信用度、取り扱い品目等を審査の上、申請資格を与えることができる。印刷工業会は正当な理由なくして、これを拒むことはできない。
部会員以外で新たに資格を得た者は、本自主表示制度を利用するにあたり、印刷工業会・建材部会の部会員と同等の義務と責任を負うものとする。

(申請)

第6条 申請を希望する者は事前に「4VOC自主表示制度会社登録申請書」(別紙様式1)に所定事項を記載し、印刷工業会に提出する。
2 適用製品ごとの自主表示申請手続きについては別途「4VOC放散に関する自主表示制度運用細則」に定める。
3 申請者は申請書類の信頼性、正確性につき全ての責任を有し虚偽の記載をしてはならない。

(審査基準)

第7条 VOCの放散に関する基準は「建材からのVOC放散速度基準」(建材からのVOC放散速度基準化研究会 2019年6月6日公表)とする。新基準値は「表2」の通り
 
表2 4VOCと基準値
対象VOC 放散速度基準値(μg/m2h)
トルエン 38
キシレン 29
120(旧基準・・・タイプ2・3)
エチルベンゼン 550
スチレン 32
 

(審査・登録)

第8条  印刷工業会は申請を受理したのち速やかに書類審査を行い、その結果を以って、適合表示を許可する旨の「4VOC基準適合登録書」(別紙様式6)により登録番号を発行する。
2 書類審査はタイプ別適用製品ごとに提出された証明書、その他の書類を以下の方法により精査し、前条の審査基準に適合していることを確認する方法により行う。
(1)適用製品がタイプ1の場合は「4VOC不使用証明書」(別紙様式2)により確認を行う。
(2)適用製品がタイプ4・5の場合は「建材からのVOC放散速度基準」(建材からのVOC放 散速度基準化研究会 2019年6月6日公表)に示される試験方法・試験条件(JIS A 1901 小型チャンバー法)での7日目の測定値を期した「4VOC基準内証明書」(別紙様式4または5)と添付の「放散速度測定結果報告書」により、気中放散速度が表2の基準値以下であることを確認する。(報告書は自社による試験報告も可とする)
3 登録番号及び通知方法については別途「4VOC放散に関する自主表示制度運用細則」に定める。
 

(有効期間及び更新)

第9条 登録された適用製品は、タイプ・仕様などに変更がない限り有効とする。但し、第3条の表1の分類に変更が生じた場合は再度申請して、更新又は新規に登録しなければならない。
 

(表示)

第10条 VOCに関する表示は、次の事項を表示しなければならない。
一.印刷工業会表示登録
ニ.適合表示
三.登録番号
表示例:PAJ4VOC基準適合 ○○○―○―○○○○○○○○○○○○
PAJ:Printers Association of Japan
※製造者名称、製造年月日(又はロット番号)等が別途製造ラベル等に記載されていること
2 表示方法については印刷工業会が指定するラベル形式(別紙様式7)を用いる。但し、前項の第一号~三号の記述事項が満たされていれば、登録書を受けた者の既存ラベルの形式を採ることが出来る。
3 表示は一梱包・一表示(ラベル)が望ましいが、一包装又は一荷口毎でも良い。但し、取引事業者間で個別に確認表示方法を定めた場合はこの限りでない。
4 必要に応じ、注意書きとして「他の製品からVOCを吸収する恐れがあるので保管には充分注意する」旨を表示する。
 

(登録を受けた製品に関する品質管理)

第11条 登録書により表示登録を受けた者は、前条に定める表示を行う製品につき、材料構成及び製造方法が前条第1項五号に定める表記から特定できるよう、製造記録等を出荷後5年間保管しなければならない。
2 印刷工業会は、「自主表示制度」が健全に維持されていることを確認することができる。詳細については「自主表示制度運用細則」に別途定める。
 

(事実に反する表示)

第12条  印刷工業会は登録された製品に疑義が生じた場合は当該会社に製品仕様書の提出を求めることができる。
2 表示登録を受けた者は、第10条に定める表示を事実に反し、又は誤認を生ずる恐れがある方法で使用してはならない。また、事実に反する表示や誤認を生じる方法による使用などから生じる一切の責任を、印刷工業会は負わないものとする。
3 前項の表示が判明した場合、印刷工業会は速やかに登録の抹消、情報提供媒体から当該製品等の削除を行うことが出来る。また、申請者に対して原因の究明と改善書などの提供を求めることが出来る。
これに従わない場合、印刷工業会はその虚偽の表示に係る態様及び虚偽の表示を行った者の名称、その他の必要な事項を適切な媒体を通じて一般に告知する等の必要な処置を講じることができる。
4 印刷工業会は、登録を受けていない製品に本表示が使用されていることが判明した場合、その虚偽等の表示に係る態様及び虚偽等の表示を行った者の名称、その他の必要事項を適切な媒体を通じて一般に周知し、必要な場合は申請資格を返上させる等の措置をとり、本制度の適正な運用に努める。
 

(情報開示及び管理)

第13条 製品が登録されているか否かは一般に開示し、ホームページ(注)上で検索できるものとする。
本規程についても同ホームページに掲載し、制度の内容を確認できるようにするものとする。
(注)印刷工業会のURL:http://www.paj-pid.jp
2 登録件数など申請者以外に公開しない情報について、印刷工業会は当該情報の漏洩を予防するため、確実なセキュリティー対策による管理を行う。
詳細については「4VOC放散に関する自主表示制度運用細則」に定める。
 

(費用)

第14条 申請及び登録に伴う登録費用は別途「4VOC放散に関する自主表示制度運用細則」に定める。
 

(規程の改定)

第15条 本規程の改正については印刷工業会・建材部会・環境委員会において行うものとし、建材部会の承認をもって発効するものとする。また、印刷工業会は改正に伴って改正前の登録製品について登録の見直し、追加資料の要求等、必要な措置をとることができる。
本規程に付帯の運用細則や文書様式の改定についても印刷工業会・建材部会又は同環境委員会において行うものとする。

 

«別表・別紙様式»
1. 別表1:申請資格企業一覧
2. 別紙様式1:4VOC自主表示制度会社登録申請書
3. 別紙様式2:4VOC不使用証明書(タイプ1)
4. 別紙様式3:製品仕様証明書(タイプ2)
5. 別紙様式4:4VOC基準内証明書及び登録申請書(タイプ4)
6. 別紙様式5:4VOC基準内証明書及び登録申請書(タイプ5)
7. 別紙様式6:4VOC基準適合登録書
8. 別紙様式7:印刷工業会・指定ラベル形式
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